『ようこそ仙界! なりたて舞姫と恋神楽』 感想
これまた読み放題で読みました。表紙が華やかだったので、気になって。
内容は堅実な?少女小説でした。
評価★★★
文章が上手く、大きな破綻もなく読みやすい。
それでも★★★なのには、理由があります。
江戸と仙人が、ミスマッチすぎる!
ということです。
主人公の住んでいたところは江戸で、鳥仙の世界に行くという話なのですが……そもそも仙人というのは、中国のイメージが強いというか、道教のものなので……。
とにかく「仙人」ってワードがまずい。脳が混乱を起こすレベル。
仙界は普通に江戸と似た感じのようだし、なぜかアマテラスの岩戸隠れの時に踊られるアメノウズメの踊りをしないといけないっていう。
私の知る限り、アメノウズメって鳥とは関係ないと思うんですが……。
話としては、少女小説らしいトキメキもあり(ヒロインがヒーローに惚れるの早すぎる気もしますが)、ラストあたりのハラハラ展開も悪くない。
ネタバレにつき、反転→どう考えてもそいつは怪しいだろ!って獣に主人公がついていくので、そこが引っかかりましたが……。
他にも色々気になるところはありましたが、とりあえず題材の組み合わせが一番まずかったんじゃないかと。
せっかく設定をわかりやすく説明されても、「仙人?」というのがまず引っかかって、どうにも入り込めませんでした。
日本って、道教はほとんど根付いてないと思うんですよね……。
ブログ記事を書こうと思ったのも、このミスマッチさを語らずにはいられない~!という理由です。
この作者さんの著書は以前、『氷竜王と六花の姫』を読んでいたのですが、これまた「なんか惜しい」作品でしたね。
こっちは設定は良いけど、ストーリーが引っかかる感じ。
あとヒーローが狼を首に巻いてる設定なのですが、狼って大型犬ぐらいの大きさありますよね……?不可能では?
ああ、これも「作品に入り込むのを阻害する設定」に入りますね。
くわえて「ようこそ仙界」よりも文章が読みにくいし(コメディタッチにしたかったのだろうけど、これがまた逆効果)、評価は★★ぐらいでした。