トコトコ読書雑記

読んだ小説について語ります。たまに映画の感想も

花神遊戯伝 シリーズ 感想

異世界トリップファンタジーです。

評価 ★★★★(4.5)

花神遊戯伝 よろしく遊べ、この異世界 (角川ビーンズ文庫)

花神遊戯伝 よろしく遊べ、この異世界 (角川ビーンズ文庫)

 

これがもう、やたらめっぽう面白い。
 

正直、一巻読んだ時、主人公・知夏のテンションが高すぎで、わーきゃーやかましくて、無理!と思ったんです。
でも二巻読んでみたらテンションが落ち着き始めて(笑)、読みやすくなりました。
多分、あのテンションは当時の読者からも不評だったのだろうな……と。

この一巻の入り込みにくさのせいで、★★★★★ではなくなりました。
私も一巻で危うく挫折しかけたぐらいなので、勿体ない。ここでの脱落者は結構多かったんじゃないかと。

あと、ヒーロー・胡汀(こてい)の良さが最後まで私にはわからなかったので(!)
名前も、どうしてこんなに覚えにくいものにしたんだろう……。
遠凪さんの方がかっこよかったと思うんだけど……。
当て馬の方を好きになってしまう私です。
美形がたくさん出てくるけれど、知夏は一貫してという姿勢ですので、ある意味安心感はあります(笑)

とにかく、イラストは美麗だし世界観も凝っていて面白かったです。ストーリーも退屈させません。
異世界トリップ好きだよ!って人も、そうでもないけど少女小説好きだよって人は読んで損はないかと。

番外編で初登場だったキャラが、やたら出張ったりするので(どこかに収録された短編のようで)、そこの置いてきぼり感などは難アリですね。その番外編が本に収録されたのは、最終巻の後に出た番外編集で……だったという。遅すぎ!

花神遊戯伝 きらめく星屑のかけらたち (角川ビーンズ文庫)

花神遊戯伝 きらめく星屑のかけらたち (角川ビーンズ文庫)

 

出てくる度に置いてきぼりになった気持ちになって、少し辛かったです。こういうキャラは、初出を知らなくても良い仕様にしてほしいですね。

糸森さんは元々、ネットで大人気だった方らしいのですが、鞭展開で有名だったようで……花神も主人公に容赦ないこと!
結構、残酷なシーンもありましたし……。肉体的にも精神的にも。
逆ハーで美形だらけなのに、知夏があんまり幸せには見えないぐらい(笑)


でもこの、残酷で美しい古代和風な異世界が、とっても魅力的なんですよね……。
手に汗握る展開が多いので、ハラハラしっぱなしでした。

デ・コスタと同じで、今は紙の本では新品が手に入らないので、電子の合本版で是非。合本版は、Amazonでたまにセールやってくれるのが良いですね。

【合本版】花神遊戯伝 全11巻 (角川ビーンズ文庫)

【合本版】花神遊戯伝 全11巻 (角川ビーンズ文庫)

 

ラストに関してネタバレなので続き以下。

最終巻だったか番外編集の後日談だったか忘れましたが、知夏はどうも力を使いすぎたから長生きできない……みたいなことが書いてあったはず。

そう思うと、胡と幸せに暮らしましたエンドでありながらも、切ないラストだなーと。つかの間の幸せ、ということですからね……。