魔導の系譜 真理の織り手シリーズ 感想
一風変わった、剣と魔法の世界の物語です。
佐藤さくら著『魔導の系譜』が第一巻となる、シリーズ作。
評価★★★★
第一回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。
魔法使いが迫害されてる世界って、あんまりないのでは。
そういう世界なので、辛い描写が結構あります。
差別とは。どうやって、人間はわかり合っていくのか。わかり合えないままなのか。
読んでいて、色々と考えさせられました。
一巻は対照的な師弟の関係が素晴らしく、また切ないです。分厚いけど一気読み!
二巻からは主人公が変わり、それぞれの巻ごとに「違う戦い」を重ねていきます。
なかなか壮大なシリーズです。全四巻で完結。
最後に一巻と対を為すような、ゼクスとレオンが表紙になってるのが良いですね。
これだけ褒めておいて★★★★★じゃないのは、少し読みにくいからです。リーダビリティがいまいち、といいますか。視点がいきなり、二転三転とかするので……。
あと、どの巻も長いせいか、少し中だるみを感じるところがあり、そこもマイナスですね。
翻訳ファンタジーっぽい設定ですが、会話などは意外とライトです。この独特なノリが合うか合わないか、でも好みが分かれそうです。
しかし、ストーリーや設定はとても素晴らしいです。興味ある方に、是非読んで欲しいです。
ちょうど今、コミカライズもやっているようです。