『そして、遺骸が嘶く ―死者たちの手紙―』感想
副タイトルそのままの話です。
戦争で亡くなった人の手紙を届ける、という。
評価 ★★★
父子の話はビックリしたのだけど、それ以外があんまりピンと来なかったかな。
最初の話はすぐに見抜けるので、もう少し焦らして欲しかった。
あといくらなんでも去勢する!?(一話目ネタバレ)っていうのが……。
衝撃の結末!!と言われていたので期待しすぎたのも、悪かったかもしれません。
後味は、あまり良くないですね……。
何だろう。別に感動ものを求めていたわけじゃないんですけど、それでもここまで色々と凄惨だとメンタルに来ますね。
逆に引きずるような、重めの話が好きな方にはオススメできます。
以下ネタバレ。
キャスケットに手紙くれた人って義理の家族なんですっけ?(読み飛ばしたかも)ここまで意地悪な手紙送るかなー、ってのが一つある。
そこまで嫌いなら無視するか、むしろ何か送ってほしいなら媚びると思うんですよね。
このあたり、引っかかりました。
あと、主人公の悲劇性を増すためなんだろうけど、「妻と子供がいた」設定がイマイチ合ってないんですよね。途中、あんまり思い出してないし。
兄官との絆に感動すべきなんでしょうが、主人公像がぼんやりしたままだからなんとなく、流してしまう。
主人公の「顔が見えない」んですよ、この話。伝令役だからわざとかもしれませんが、その割に主人公にも焦点を当てているからちょっとミスマッチに感じました。