トコトコ読書雑記

読んだ小説について語ります。たまに映画の感想も

『天盆』感想

第十回C★NOVELS大賞特別賞。
評価が良かったのは知ってたのですが、災獣シリーズであまりにもがっかりしたので、こちらもそこまで期待を上げずに読みました。

天盆 (中公文庫)

天盆 (中公文庫)

  • 作者:王城 夕紀
  • 発売日: 2017/07/21
  • メディア: 文庫
 

評価 ★★★★

評判の良さも頷ける一冊でした!

淡々とした文章。会話多めで、あっさりです。
ページ数の割には、サクサク読めます。

主人公・凡天の打つ天盆と現実が重なっていくところは、非常に熱かったです。
そして読み進めるごとに家族の絆が、じんわりと染みて来ます。

★5でないのは、最初らへんは冗長に感じる……というのがマイナス。
あとはラストですね。

ラストについてはネタバレになるので、続き以下に。

せっかく、衆が勝つという暗喩になっているのに、現実は外国に攻め込まれて終わってしまう……という、なんとも言えないラストでした。

凡天がどうなったかは書いてないし……。

内乱で王朝が倒れる、のではなく外国から滅ぼされるという何とも残念なオチです(伏線があるとはいえ)
ラストはこのように、なかなかモヤモヤっとするので★★★★となりました。